太朗の主夫日記 ~So What?~

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主夫からみた女性差別④

 

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政治の世界も、主夫にぎこちないんです。

ある国会議員が「子育てママたちと語り合う」というような座談会の企画を立てたので、主夫であることに自負もでてきたボクは参加を試みました。
ところが、現場の写真撮影時に、男性が写りこんでしまっては、見栄えが悪いという理由で参加を断られ、隅の方で見学、最後の方なら発言しても良いという扱いになり、隅っこのパイプ椅子に座らされることになりました。
座談会は、大きな社会問題になっている、待機児童を語ることから始まりました。当然、待機児童問題をいかに解決するのか?という話になるだろうと思って、ボクは見ていたのですが、あるママさんが、待機児童対策を立てることそのものに異を唱えはじめました。
「『三つ子の魂百までも』って言うように、せめて3歳までは、子供は他所に預けずに、母親がぎゅっと抱きしめ育てなあかん」と、高らかに語りました。すると、他のややベテランに見えるママさんも呼応し、
「今は、0歳児保育とか、働くママとか言うて、子供がかわいそうや…。この方おっしゃるように、せめて三歳くらいまではお母さんがずっとそばにいてやらんとね」と悲しそうな顔をして言う。
「今のお母さんは、仕事することかばかり考えて」
「戦争で死んだ兵隊たちは、最期、『天皇陛下万歳』とは言わずに『お母さん』と言って死んでいった。それだけ母と子供の結びつきは深いんや」
話が、ボクが予想もしなかった方向で盛り上がって行く。

場の中には、0歳児保育、集団保育、待機児童問題の解決というテーマで話をしたがってたママさんも何人かいるはずでしたが、旗色が悪くなり、口を開くことができなくなってるようでした。しかし、勢いよく話しているママたちとて、抱えている不満のエネルギーは相当なもののようで、座談会はどんどんギスギスした空気になっていきました。
どのみち、男性の子育ては問題にもされてない。ボクは仕方なく、意味もなく口をパクパク動かしていました。
「『イクメン』なんていうても、ちょっとオムツ変えるくらいのもんやもん。役に立たへん。ウンチのついたオムツはお母さんにしか変えられへんもんね。男の人はたしかに外でお金を稼いでるけど、私たちはお金には変えられへん、価値があることをやっている!」最初に発言したママさんは、またも高らかに語りました。

座談会のテーマはもはや見えなくなっていたのですが、ようやく、男の子育てが話題になりました。しかし、これでは「エライ言われよう」なわけなんですが、ボクは実際のウンチのついたオムツを毎日変えている…。
「私たちはお金には変えられへん、大きな価値があることをやっている!」
このママさんの言葉、ボクは嬉しく思いました。「こんな風に言い切ること、素晴らしいやん」と。家事育児の大変さ、尊さをボクはよく知っている。

果たしてこの頃、ボクは金を稼ぐ労働ではなく、家事育児を担当していることを、コンプレックスに感じていたか?感じていたのだとすると
「お金には変えられへん、大きな価値がある」という言葉は、すごくボクを救ってくれます。でも、この場にいて、喋っているママさんたちの頭の中には、男が家事育児をしているという絵は一切ないんです。ボクは救いと、悲しみを同時に覚えました。このミョーな感情をどう説明すれば良いのだろう、説明させてもらえるのだろう?そんな感じでした。すると、
「お父さん、子育てには役に立たないなんて言われてるけど、どうです?」
ホスト役を担当していた、ボクよりだいぶ年上の国会議員が、こちらに話を振ってきました。自分に求められている役割は、察することはできました。照れたような笑顔で頭をかきながら「男が育てても、お母さん方にはやっぱりかないません」とでも言えば、場はヘンな空気にならずにきれいに収まる。それでも良かったんですが、

「信念で子育てされている、お母さん尊敬します」とボクは反射的に言いました。「そして仕事をされるお母さんも尊敬します、ただ、価値観の違いで、お母さん同士が対立してほしくないだけなんです」と、付け加えました。
すると皆、唖然とした顔をされるんですね。
ホント、ママさんたちにケンカされるのが、イヤだったんです。ずっと一生懸命、専業主婦をしてきたお母さんがその仕事を過小評価されて、イライラすることもイヤだったし、同じように、働きたい女性が母親になった瞬間、仕事をする権利をすべて奪われることもイヤだったんです。
座談会は何となく、着地点がないまま終了してしまいましたが、実際にケンカにならなくて良かったです。でも、ママさんたちのあらゆる不満を辿っていくと、彼女たちがどんなスタンスであれ、結局は長い歴史をかけて女性が生き方を限定されて、差別されてきたゆえの不満だと思うんですね。

この時、ボクは初めて、自分が主夫であることは、ママさんたちが、差別や役割の押しつけから解放され自由に生きることに、ほんの少しでも、一役買えるかもしれないと思いました。このときから、好きで主夫をやるようになったんだと思います。主夫がもっともっと当たり前のように、全体の50%くらいいれば、女性がメインで徹底的に子供を育てるというのは、単に選択肢のひとつになる。

社会の状況がもっともっと良くなって、ボクらが子供を見ている間、女性に多様な働き方をして欲しい。もちろん、主婦のことだって尊敬してるし、主婦と主夫で子育ての苦労を語り合うのも悪くない。
そんな風になれば、もっと自由で優しい世の中になるんじゃないかと、妄想しています。
ちなみに、ボクに主夫友はあまり、いません。他の主夫は何を感じてるのか知りたいし、お話したいですね。
ボクは楽しくやっています。

これが、一主夫から見た景色です。

 

おわり