太朗のSo What?

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とむやんの「Slow Walker」という歌

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滋賀が好きで、よく行くのだが、

楽しみのひとつに、とむやんの歌が聴けるかも?
というのがある。
とむやんは滋賀に住んでる、吟遊詩人で…
イヤ、吟遊詩人だけでは表せないか。
風来坊で…イヤ、今オレが風来坊という言葉を使いたかっただけだ。
とにかく、魅惑的な言葉が当てはまる男なのだが、今は見つからないので、

ここでは、あきらめる。
とむやんの歌のひとつに「Slow Walker」がある。

 

「Slow Walker」の話の前に、少し脱線しよう。

ザ・タイガースの「花の首飾り」が大好きで、よく聴くのだが、
そのタイガースのドラマー、瞳みのるさんの著作、
「花の首飾り物語」の中で、瞳さんが、この曲でリード・ヴォーカルを担当している加橋かつみさんに「この曲が、あなたの人生にどんな意味を持ったのか?」とインタビューする箇所がある。

加橋さんは、「曲というものは聴く人のもの。レコーディングしたり、歌ったりしてしまったら、僕の手から離れてしまっているわけだから、それを聴いたひとのものになっている」

という理解しにくい返事をして、瞳さんを少しイライラさせていた。

だが、それもそうだ。

歌というのは常に、聴く側のものと言えんことはない。
だから、「Slow Walker」を聴いて何を感じるのか?

「花の首飾り」や「tomorrow never knowns」を聴いて何を感じるのか?

というのは全く同じであり…今だったらRADWIMPSの歌とかになるのか?わからんけど。

 

 さて、滋賀のとある教会でのライブに

とむやんが出てたときの話なのだが…

 

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「Slow Walker」は、ウクレレの伴奏の、心地よいメロディーの歌だ。

 

♪ぼくは のんびりと行くよ
だから お先にどうぞ

そんな がんばらなくていい 

ぼくは自由気ままな
スロウウォーカー♪

 

とむやんの声が聴こえてくる。

だが、オレは全く心地よくならない。

むしろ、聴いてるとそわそわして、その場を逃げ出したくなる。
なぜなら自分は、スロウウォーカーとは程遠い、せっかちな人間だからだ。

そして、何故そうなってしまったのかを、反射的に思い出すから、

なおさら逃げだしたくなる。


10代のときは、自分はのんびりした性格で、
特急電車が肌に合わず、
必ず、各駅停車に乗車していたくらいだった。
ところが、ある女の子に

「各駅停車が好きやし、各駅停車に乗っている」と説明したところ、

「何で?アタシは早くパーッと行けるし、特急の方が好きやけどな」と言われた。
自分は、その子の言うことは絶対に聞こうと、心に決めていたので、

翌日から、特急電車に乗るハメになってしまった。
以来、自分ののんびりした性格は死にたえ、身の丈に合わないせっかちさに、

手こずらされ続けている。

これでは、スローウォーカーのメロデイーをいくら体に浴びても、張子の虎だ。

 

一方、とむやん。

歌うにつれて、スローになって行くようだ。

「スローどころか、止まってしまって…」と彼は言う、

「高江もね、もう止まっちゃえば良いのにね」

この時、物音でもしたのだろうか?うちの子供がコケたのだろうか?とむやんの話が止まった。
「話、もっと聞きたいわあ」と客席のオレは言った。
「話にできないから、歌うんだけどネ…ゴニョゴニョ」また違う歌となる。
そうなのだ、くぐもったスキ間に出てくる言葉。いつ、どこで出てくるか、わからない。次の瞬間にはもう存在しない。そういうのが真実で大切な言葉なのだ。

だから、なるべく多く書き留めておきたいと、いつも思う。自分は写真は撮れないが、写真を撮る人の気持ちとは、こういうもんだろうか。

ここで、とむやんの「Slow Walker」の話は終わり、
歌は完全に聴く側のものとなる。
自分を特急電車に乗せた女の子が、
遠くに引っ越してしまったので、追いかけて行った。
あらゆる話の中でも、一番良い話は、失恋大成功の話だ。

(それは、誰も傷つけないので)

女の子を追いかけるのに、特に理由はなく、当時、自分は蠅みたいな感じだったので、止まる場所を探してただけのようなもんだ。とはいえ、止まる場所を探すのも、中々困難で、
やることと言えば、美術館に行くとか、東京タワーの蝋人形博物館に行くとかくらい。アイリッシュパブみたいな所にも行ったのだが、
普通に喋っていたのが、急に20分くらい、沈黙した。
「今まで、喋ってたのに、これだけ沈黙して座っていられるということは、相手もそれでかまわないのかもしれない」と感じていたのを覚えてる。

 

特に何もなく、握手を交わし、駅でお別れすることになった。

京都までは遠い。迷わず、特急に乗った。当たり前だが、特急は早い。自分はあせった。
「予想以上の早さだ」と。そして、ここで終わりということに気づいた。

特急は早い、早いわ早いわ。
(これは、ドラマとかに出てくる典型的なアレやな。そして朝が来た、鳥が鳴いている。もしくは、駅のホームにてお別れする)

特急電車は、なおもスピードを上げる。自分がこの場所を後にするということが、信じられない。
ここで、「Slow Walker」を歌えれば救いだったのだが、歌はまだ生まれていない。出会うのは20年後なのだ。

 

歌は世につれ、世は歌につれ。
全く、意味はない。