太朗のSo What?

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~共謀罪が施行された日、三人の老師との対話~

7月11日。
共謀罪が施行された。

 

京都市伏見区は大手筋にて、
有志と共に、
共謀罪反対街宣。


現場に着くと、偶然、日本共産党が既に街宣を。
友人のYさんの姿も見え、私はピースサインを送る。

共産党街宣車と、入れ変わるようにして、
活動開始。

私は、マイクでのアピールはせず、
無言で、このプラカードを掲げる。

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①一人目の老師


すると、車道のド真ん中を歩く、
小柄で、日焼けした、キャップ姿のおじいちゃんが、
こちらをジロリと、見る。

「おまえらア、何をわかったこと言っとるんや!」


ナンダナンダ。


「わかったことって、な~にヨ!?」私は、おじいちやんに尋ねる。
「こんなんは、わかったことなんや、わかったこと言うてもアカンのや!

 アベはあ、アカン!アカンのや」おじいちゃん。


敵なのか、味方なのか、サッパリわからない。


(話してみよう)これも、太朗’sカフェだ!


おじいちゃんに、グッと近づいて見る。


明らかに、飲んでいる
(正午である)
歳は75歳。そんなにおじいちゃんでも、ない。
実年齢より老けている。
飲みすぎや。
「おまえはあ、いくつや?若いやろ。50くらいか」おじいちゃん
「40や…。10もちゃうで」私
「おまえ、麦飯食べたことないやろ!」
「白飯やな」


「そんなやつがな、こんなん言ってもアカンのや!戦争とか、知らん。

 ワシらん時は、大学なんかなかった!早稲田、慶応…あったけどな!」


なるほど、ロクに苦労もしてない若僧が、

耳学問で人に何かを訴えてもアカン

と、いうことを私に伝えようとしてくれてるのだ。

ならば、おじいちゃんではなく、老師だ。


「とにかく、アカンのやったら、麦飯のことは確実に覚えたから!」
と、私は老師に伝える。「アベもアカンのやろ。終わってもらうよう、こうして頑張るし、握手しようや!」

そう、申し出ると、
嬉しそうに、握手に応じて、何故か軽くハグして別れる。

老師は、フラフラとした、足取りで交差点を南方向に曲がる。
今から、また飲むんかいな。
私の真横では、弁護士の方が、共謀罪のバカらしい中身を、
冷静、論理的にアピール。
老師と対話していたもので、理解しやすかったであろうスピーチが、
聞きとれず、残念。
なるほど、これは、ひとつの景色だ…。

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②二人目の老師

 

場所を変え、
イオン前にて街宣。
スーパーの前とは言っても、

通りは広くなく、車と歩行者の距離が近い。


仲間は、マイクアピールを続ける。
私は変わらず、プラカードでの無言アピール。

すると、歩行車を押した、色白の老人が、
私のプラカードを、静かに見上げ、

 

「えらい、時代になった。安倍晋三…同じや。あの頃と」静かに言う。

 

これは、二人目の老師だと、すぐわかる。
老師は、私を見る。
深い目を、している。
こちらの心の底を、簡単に見越すことができるのに、

あえてそれをしないような、目だ。

腰は、曲がっているものの、矍鑠としているのが、見た目ですぐわかる。


自分は92歳だと、老師は言う。
「あの頃と、一緒や。あんた‘白紙’って知ってるか?赤紙は知ってても、白紙は知らんやろ?」

「知らないです」私は答える・

「あれで、働かせられた。同級生は、はよ死んでいった。満州で」老師
「強制労働、いうことですか?」
「………」老師はそうそう、ハッキリとは答えない。
「休みは月に一度やった」と、ポツリと言う。


満州は、岸信介が暗躍していたんですよね」私は浅い知識を、口にしてみる。


岸信介、アレにやられた。戦後捕まっていたのに、簡単に出てきた。孫の安倍晋三
 は、去年までは花を咲かせられた。毒花かもしれんが。だが、もう駄目や。人には、
 先の運命がある。私は、それが見える学問を知っている。彼は、落ちていく」


「何という、学問なんですか?」

「気学」

「………」私
「戦争が終わって、とてつもなく税をとられた。六万。今の六万やない。六千万と同じ。財産。何もかも。えげつなく盗っていった。そういうことも知られてない」


ゆっくり、小さな声で老師は話す。完全な聞きとりは、難しい。どこまでが、真なのかも、わからない。とにかく、92年の重みを感じる。

 

街宣が終わり、仲間たちと共に、撤収。

私も老師も吊られて、ゆっくりと移動する。

老師の帰路を少し、共にするような形になる。

「理性と、意思の力がすべてや」それを、大事にするようにと言わんばかりに、
老師は私に伝える。


「理性と意思で、感覚を捕えるということですか?」


老師は、少しうなずき、
「…おかげで、私はこの年齢でも、なにひとつ薬はとっていない」
そう言い残し、老師は大手筋のアーケードを抜け、

北の方角へと、向かって行った。


(白紙とは、何だろう?

 気学とは、何だろう?

 理性と意思の力とは、何だろう?)

 

 老師の姿が見えなくなってからも、私は思う。

 

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③ 三人目の老師

 

さらに場所を変え、
今度は大手筋の最西、
東京三菱UFJ銀行前での、街宣。
私は、同じようにプラカードで無言アピール。

今度は、自転車に乗った男が、ペダルをこぐ足を止め、
私のプラカードを、じっと見上げる。
茶色く染めた髪に、軽くパーマを当てている。
いぶかしげで、鋭い目つき。
アロハシャツを羽織り、口髭をたくわえている。

フュージョン・ミュージックが好きそうな、
やや、コワモテな風情。


全学連知ってるか?」男は私に尋ねる。


「歴史で知ってるよ」
「そんなんのために、こんなんがあるんちゃうんか?」
わからない。理解するために、いろいろ尋ねてみる。


男は、73歳だという。
驚いた。
「ヤンチャ坊主」だった名残すらあるのに、何と若く見えることか。
73歳ならば、ギリギリ老師と言っても良い。
話しているうちに、
キケンな過激派や『テロ』を取り締まるために、共謀罪は必要だろう、
と、私に伝えたいのだということが、わかった。

浅間山荘事件って知ってるか」三人目の老師は私に、尋ねる。
「後藤田さんが、出てきたやつやろ」私
「そうや、あんなん、えげつないで」老師
「オレかて、あんなんはキライやで。身内に疑いと刃立てて、内ゲバ起こして、
命奪うような連中は、大嫌いや」私

私が、実感を語ったからなのか、老師は深く頷く。
「おたくは、どこのモンなんや?」老師は尋ねる。
「どこでもないで、政党はニガテなんや」私
「民主(進)、共産、社民ちゃうんか?」
「共産は、さっき、あっちで頑張ってたで」
「あんなモン反対ばっかやろ。何もしとらへん。何かせな」
「民進は、反対ばっかでもないやろ。こないだヤメた〇〇さんとか、他〇〇さんとか…」
老師が少し、口元を緩めたので、私はさらに、言う。


「そら、おっちゃん言うように、共謀罪で悪いヤツ捕まえてくれたら、ええで。けど、法律なんて、アホな人間が作って、アホな人間が使うモンやろ。勘違いで捕まったらタマランで。どう見ても過激派には見えんやろ、オレ。おっちゃんは、犯罪心配してるんやろうけど、オレは法律の穴、心配してるんや」

「そらまあ、人それぞれやわな」老師は答える。

 

単語ひとつひとつ採ってみたら、全くわけのわからんオレの話に、老師、何という理解力だ。

「それぞれ言うても、世の中平穏であって欲しいいうのは、一緒やろ。そやし立場違っても、その辺は、一緒にやって行こうや」私は、老師に言う。


だが、(一体、何を一緒にやるというのだ)と、自分でも思う。


「けど、この法律は、通さなアカン!」老師
「え…?」私
「…?」老師


「とっくに通っとるわい!(笑&怒)そやから、必死でこうやって反対してるんや!!(笑&怒)
知らんかったんかい!もうええわ。通っとるん、わかったら、おっちゃん安心したやろ!オレあ不安でしゃあないわい!」


イカった(?)私が、そう言うと、老師は自転車に乗って、手を振り(ちょっとウチ帰って、高中正義聴いてくるわ)とでもいうような、ニッコリ笑顔で、
大手筋を西へと去って行った。
(何や、笑うとカワイイやないか…)私


今度は、近くで話を聞いてた、おばちゃんが近くへ来て、
「イヤイヤ、私はおかしい思うで、この法律。私は戦争終わったとき、7歳やったから、わかる!」と、話しかけてくれる。
礼を言う。

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追記)しかし、私にとって、本当に敬愛する老師は、村上さんなのだ。
村上さんは、いつものようにマイクで語られる。


治安維持法を疑わなかった、ご両親が満州へ行くことも、疑わず、その後…


私ごときが、書けないが、

運送会社で勤務中の若者が、仕事の手を一端止めてまで、村上さんの話に真剣に聞き入っていた。
共謀罪が施行された、今日、この日の出来事を、私は忘れないだろう。