太朗の主夫日記 ~So What?~

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主夫日記10月19日 ~安倍晋三を見てきた~

家から、

そう遠くない、

京都南部のスーパー、
平和堂城陽店に、
内閣総理大臣安倍晋三がスピーチに来るというので、行ってきた。

 

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自民党の狙いは、ただ一つ、
選挙区(京都6)の、強力な前職、‘希望の党山井和則を、
完膚無きまでに、叩きつぶすためである。

簡単に、京都に来られても困るので、
カウンターというには、

大げさだが、
ご意見というか、
マンガみたいなメッセージ・プラカードを用意して↓

 

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(厳密に言うと、このプラカードの内容も、どうかと思うが)
平和堂まで、車を走らせた。

小学生の、

子どもの帰宅時間を考えると、
行くのは、無理があるのだが、
こんなときのための、
とっておきの手を使った。
なにせ、一国の宰相が近場に来るのである。

予想以上の混雑で、
ナビの案内の、倍以上の時間をかけて、
ようやくたどり着いた。
駐車場も満車で、場内に入ったものの、
停車することすらできず、

絶望的な気分になった。
すでに、
観衆は自民党街宣車の周囲を、埋め尽くしており、
その数、ざっと1,000人。
そこいらに、日の丸が羽ばたいている。

奇跡的に、一台ぶんの空きスペースを見つけた。
大急ぎで駐車し、プラカードを鞄に入れ、

街宣車の方へと、歩く。
幸い、
安倍晋三はまだ到着しておらず、
地元京都の参議院議員西田昌司と、候補者のスピーチが、
終わったところだった。

…にしても、
これほどまでに、
日の丸を振っているギャラリーが多いとは、
驚いた。
安倍晋三のスピーチに、日の丸が舞うのは、
当然のことなのだろうが、
写真で見ていたのと、
実際、この目で見るのとでは、
大違いだ。

プラカードの集団を見つけたので、
カウンターだと思い、仲間に入ろうとしたが、
よく見れば、

「おい、TBS。選挙妨害は犯罪なんだよ!」

と、いう、
ヘイト・スピーチの画像で、よく見かけるプラカードだ。
あぶない。
プラカードを高々と掲げている、オジサンに体がぶつかり、
「ドーモ、失礼」
と、言うと、
「アッ、良いんですよ」
と、にこやかな返事が返ってくる。
どこにでもいそうな、気の良いおっちゃんだ。
周りを見渡すと、
プラカードも日の丸と同じように、
全員というわけではないが、
多くの人に、行きわたっている。

 

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「安倍首相、ガンバレ!」

と、いうプラカードもある。
すべて同じデザインの、同じもの。
自分は反射的に、
かつての民主党
愚かな、震災遺物広域処理政策の時に、
用意して配布した、

「絆」

の、プラカード狂想曲を思い出した。

どうにも混雑していたので、
街宣車の裏側から、写真でも撮ろうとして、
道路を隔てた向こう側に回ったら、
ジャンバー姿の係の人(警備員ではない)
から、
「ここでの撮影はダメなんです」と、止められる。
私は、
「本物が来るの?ウソでしょ?」
と、心にもない軽口を叩いてみる。
係の人は、忙しいときだのに、
アホなやじ馬には参った、というような、
苦笑いを見せて、
街宣車向かい側のスペースに戻るよう、
案内する。

再び、群衆の中に入って見て、
子連れママや、中高生が多いのにも、驚いた。
昼下がり、
恵まれた子育て世代なら、比較的動きやすい時間だ。
対立候補の看板は福祉。
全て、計算なのだろうか?
子どもたちに、日の丸を持たせ、
和やかに、談笑する母親たちもいる。
別に、鬼のような顔をしているわけではない。

あたりでよく見かける、優しそうなママさんだ。


(*日の丸も、プラカードも、全て事前配布によるものだと、後から聞いた。
だとすると、単なる通りすがりの人が、総理大臣が来るのだからと、
芸能人の応援グッズ的に、貰った旗を無意識で振るのも、おかしなことではない。
それの方が、より恐ろしいのかもしれないが…
でも、この時点での私は、マンマと騙されている*)

「あちら側」にも、
ママの会みたいなものは、存在する。
と、いう話も聞いたことがある。
自分は、
今の時代、多くの人が、
何となく、右傾化することで、
生きることをラクに感じているのでは?
と、思っていたが、
そうではなく、
「積極的な意識で、安倍晋三の目指すような世界に同調する人々は、
今まで、潜まざるを得なかった、それが、出てきた」
と、いうことらしい。
「対立になる、だからしんどい」と、
その言葉には、
確かに、現場的な響きがあった。

 

安倍晋三が、やってきた。

 

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1000人の同調者。
いざとなったら、
ひとりでも…と、思っていたが、
どうしても、自作のプラカードを出すことができない。
自分みたいな人間も、きっと点在しているのだろうが、
確認する術もない。
1対1000のように思える。

申し訳ないが、
内閣総理大臣が、何を話していたのか、
よく覚えていない。
レポートが目的で、行ったわけでもない上、
よく知られているように、彼は明瞭な話し方ではない。
(ここは、攻撃のしどころではない。ただの口調だ)
生理的な嫌悪感は、もちろんあるし、
漏れてくる言葉を、
耳は、本能的に避けようとする。

部分部分、聴こえてくるのは、
「若者たちが、仕事ができる社会、子育てしやすい社会、生きやすい社会」
と、いった言葉。
対立候補を意識してのことだろう。
だが、
キャッチ・フレーズを繰り返すのみで、方法の説明がない。
(本当に、総理大臣の演説なのか?こんなので良いのか?)
と、思ってしまう。
それでも、
安倍晋三が何か言うたびに、
群衆は沸き、
そのたびに、特に、最前列の数百の日の丸が、
「ワーッ!」と、バンザイのように上がる。
アベノミクスの成果を、数字を出して強調。
過疎化した農村で働く、おじいちゃんの手を握って、
必ず、日本の農業をよみがえらすと誓った!
という、
『泣き』のエピソードも取り入れる。
別に、安倍晋三に限ったことではないが、
詐欺的な手口にしか、見えない。

 

安倍晋三に限ったことというのは、次にあった。

北朝鮮の脅しに屈するわけにはいかない!!!!!」

彼は拳を振り上げ、言った。
またも大量の日の丸が、
バンザイのようにブワッ!と、はためき揺れる。
コール&レスポンス。
間違いなく、
この日一番の歓声と、盛り上がりだった。
「むしろ、北朝鮮の方から…」
北朝鮮の方から、詫びを入れてこい…)
と、いうような意味のことを言うが、
聞きとれない。
耳が、言葉を避ける。
吐き気がしてくる。

自分は、
タイム・マシンに乗ったかのようだった。
白黒写真でしか、見ていなかった、
第二次大戦中の、ヤマト民族の熱狂。
それが今、目の前に実際にある。
自分も、
そのヤマトの一部であることが、恐ろしい。

有名なユングは、
ナチスの熱狂と闘争心は、古代ゲルマンの嵐と、狂騒の神『ヴォータン』という元型の復活である」
と、何やら神秘的なこと言っていたらしいが、
自分は意味もなく、そのフレーズを思い出した。

アタマを冷やして考えれば、
これと真逆の、政党のトップが来たときの、
集会に行ったときも、
人数は似たようなものだった。
だから、
前列の数百の日の丸が、
動員であるか、そうでないのかと考えるのは、
あまり意味がないことだ、とは思った。
好きなところに、人は集まるわけだから、
動員でもあるし、また動員でもないわけだ。

正直、
心底、恐ろしかった。
自分と異なる価値観を持つ集団を、
確認したから、というわけではなく、
異なる価値観の集団が、
本当にぶつかったらどうしよう?
と、想像したからだ。
憲法を変えられるのがイヤ、というより、
いじられることそのものが、イヤだ。
そんな緊張感に、
このヤマト民族というやつは、耐えられるのだろうか?

カウンターのプラカード(一応)を、
持って行った、ということは、
自分の心にも刃があるということだ。
いざとなったら、
ストッパーをかけていた、
「アベヤメロ!」
コールにも、参加する気でいた。
その時点で、すでに何かに巻き込まれている。

戦い。

刃を(象徴的な)どうしても、
出さないといけない瞬間が、
自分にギリギリ、訪れないのは、
安全な場所を、
政治によって確保されているだけの
ことだからなのだ。

連れ合いが、
旅行に行ってからというもの、
よく、沖縄のことを考える。
(自分は、マトモに行ったことがない)
よく知りもしない、
沖縄のことを考えると、
安倍晋三と、その支持者たちを見た違和感に、
投票行動で、異をとなえることが出来るのは、
贅沢なことだと感じる。
投票行動で、完全に勝利しておきながら、
基地なんぞを、押しつけられて、

(私たち、ヤマト民族が押しつけ)
その上で、
しかも、非暴力で戦わざるを得ないなどという、
極限。

いつも、
考えることなのだが、
そもそも、
世界が、こんなバカバカしい
陣取りゲームに明け暮れているのは、
男性性の持つ、暴力性なのではないか、
と思う。
ドナルド・トランプの顔を思い出す。

ヤケクソで、
男性ひとりひとりに、
聞いてまわりたいくらいだ、


「あなたは、人を殴ったことはありますか?私は─」

何をどうして良いのか、わからない。

驚いたのは、

安倍晋三のスピーチが、終わったあとだった。
司会の府会議員が、


「今から、安倍首相と(候補者)が、ハイタッチのご挨拶に当たらせて頂いております。お撮り頂いた写真・動画は、保存盤にせず、必ず、ツイッターか、フェイスブックか、インスタグラムにアップし、ハッシュタグをつけてください!」

と、隅々まで、支持を出したことだった。
CD屋でアルバイトをしていたので、わかるのだが、
これは、レコード・メーカーの発想だ。
「ハイタッチ」は握手会の後に出回った企画で、
より効率的に有名人と観客が触れ合う方法として、開発された。
確か、
エイベックス・グループあたりが、出どころだった気がするが
…よく覚えていない。企画が始まったのは、おそらく5年くらい前。
まさか、
これが、現職の総理大臣に適用されようとは。
選挙プランナーの存在は聞いてはいたが、
これほど、露骨に芸能界と繋がっていることに、驚く。
とにかく、
スタアを作りあげるためには、

「え?そんなバカなこと!」

と、思うようなことまで、徹底してやる。
実際に、効果があるのだ。
このバカバカしさを笑う者は、
自分自身を笑っている。

時計を見ると、3時15分。
子どもがいるのだ、帰ろう。
気持ちの落とし所が、全く見つからないまま、
車のダッシュボードに、
出せなかった、プラカードを置き、
平和堂を後にする。
アナウンスが聞こえてきた。

‘どうか、若い皆さまも投票に行ってくださいネ’

優しそうな、女性の声だった。