たろうの音楽日記

日々の音楽活動に関する覚え書きです。

ホリエモンと福田

せ、
映像を追ったことがないので、
ホリエモンという人が、

動いたり、喋ったりしている姿を見たことがない。
だが、仕事のスキマ時間に行くコンビニで、

彼が書いた(?)本は毎日見かける。

その本を開いてみたことも、
これまた無いのだが、
本の帯に印刷されているキャッチコピーや、
彼の容貌が目に入ってくると、

私は中学時代の同級生の福田を思い出す。

福田はいわゆる「いらんことしい」であった。
それも、結構な迷惑と言えるレベルの「いらんことしい」なので、

どちらかと言えば嫌われ、
特にクラスの女子からは、私と同じくらい嫌われていた。

例えば音楽の時間、
合唱コンクールの練習を、意味もなく妨害して、

祭りの際の集団行動にマジメなヤンキー女子に、

「おまえ、本番でもそんないちびるんか!」

と説教されたり、

(実際、福田は本番ではいちびらなかった)

ここ一番の場面での、

空気を読まない発言で、

クラス中から冷たい視線を浴び、

大人の対応をしなければならない、
担任の先生にまでも、ため息をつかれる始末だった。

ある日、絵が得意だった私は、

全くの無心で、福田の似顔絵を黒板に描いた。

福田は面白い顔をしていたから、

面白い顔の絵になってしまった。
結果的にクラス中の人間がその絵を見て笑い出した。

すると

「オレ、こんなんちゃう!」

と言って、福田は烈火のごとく怒りはじめた。

数日後、

今度は福田が、

極端にデフォルメした私の顔を黒板に描き、

クラスの皆に見せびらかせ、笑いものにしようと試みた。
私は何故、福田がそんなことをするのか、
理解出来ず、ムキになって怒りはじめて、

そのままケンカになった。

空手と習字を習っていた福田は、

私の腕を得意の関節技で固めようとした。

私は何となく、腕を振ってみた。
すると腕はあっけなく

「スポッ」

と抜けてしまい、余りの予想外の出来事に、

数秒間、私と福田はお互いの顔を茫然と見つめあった。

そんな福田を

私はどこか愛していた、というとことは全くなく、

その余計な言動と行動が、普通にキライだった。

ただ技術の授業は席が近くだったため、

モノのはずみで会話することがあり、

そんなときの福田は意外と普通で、

「オレと〇〇(私の名前)いつも仲悪いのに、

なんで技術の時間だけ仲ええんかな?」

と、言ったりしていた。

福田はそれなりに努力したのか、
私とは別の進学校に進んだ。

中学卒業後、
一度だけ、道端で偶然出会ったことがあり、

私は関わりあいになりたくなかったので、逃げようとすると、

「何(オレに)びびってんねん」

と、ニヤニヤ笑いながら近寄ってきた。
それが福田を見た最後である。

私は、福田が努力に努力を重ね、
そのコンプレックスを、
インターネットを駆使するやらなんやらで克服(?)

し、財をなし、それなりの整形手術を加え、
ホリエモンになったのではないか?
と、思えて仕方がない。
あながち妄想でもない気がする。

ホリエモン(福田)は、

その後、浮き沈みの激しい人生らしく、
逮捕されたり、ホテルに入るところを週刊誌に撮られたり、
奇妙なヌードを披露したり、
その後を、平凡に生きている自分なら絶対経験しない、
恥や屈辱を経験しており、気の毒な気がしないこともない。


自分の中の、
押さえられない野心に反比例して、
容姿に恵まれず、
特に女性からは嫌われまくっていた、
福田の性的コンプレックスを、
同類の癖に、理解できなかった自分にあきれる。
そういえば、今思い出したが、
福田は校内放送で、
ジャニーズの音楽(当時は光ゲンジ)が流れて、
女子たちが、
「キャーッ!」と黄色い歓声を上げるたびに、
この世の終わりのような、
イライラの極致みたいな表情を見せていた。

福田がどれだけ努力して、地位や名誉や金を手に入れても、
ジャニーズのアイドルのように、
ひとまず無条件で、
女性の声援を浴びることは、
どれほど努力しても、
地位や名誉や金を手に入れても生涯かなわず、
はっきり言ってしまえば、
‘もてた’
際に感じる充足感は、
彼にとって、永遠に想像の世界でしかない。

生まれ持っての美しい容姿と、
女性からの声援が、永久に手に入らないことで、
福田は今でも、飢え続けているのだろうか?

今さら、
平凡ゆえの気楽さとか、
ひとりの恋人との愛~の時間とか、
家族の温かさとか、
少年マンガみたいな友情と信頼とか、
ささやかな贅沢だとか、
ありきたりな感性があれば、
そんなに苦労しなくても手に入れることができる、
幸せの中で、
満たされることは、福田にはもう無理なのだろうか?

そうすると、福田は中学の時から、
ずっと満たされていないのか?
同級生として不憫でならないし、
本当のことを言わない世の中に、憤りを感じる。
男は所詮見た目だというのに、誰もそうは言わない。
例えば、
私の知っている範囲の芸能人なら、
昔いた、
NHKから国民を守る党の人とか、
しまだしんすけだとか、
ほんこんだとか。

容姿に恵まれなかった男たちは、
地位や名誉や金を手に入れることはできても、
女性からの声援という、
彼らにとって肝心なものを、
永久に手に入れることが出来ないから、
せめての気晴らしに、
処世術に走ったり、
仕事術を解説したり、
ナショナリズムに被れてみたり、
快楽だけのセックスに溺れてみたりの果てに、
一生マウントでしか、女性と関係性が作れず、
満たされることないまま、死ぬより他にない。

今まで虐げられていた、
少数派たちの声が、
インターネットによる社会変化や、
表現手段の進化によって、
次第に表に出てくる以前に、
最も虐げられていた、
不細工な男性が、
まず始めに、
ようやく市民権を得ていたというのに、
それでもまだ、男は所詮見た目なのだ。

福田から平凡な幸せを奪ったのは、この冷たい社会なのだ。